ブログ

日本国国章毀損罪?

最近、参政党が「日本国国章毀損罪」を盛り込んだ刑法の改正法案を提出して話題になっていますが、私は現時点でそのような犯罪を創設する必要はないと考えます。
社会規範を国家が国民に押しつけるようなことは可能な限り最小限にとどめるべきです。まして、それが刑罰を伴うものであればなおさらです。

参政党は「立法事実がある」と主張していますが、そこは慎重な社会調査が必要でしょう。
国旗に✕印をつける選挙妨害に対して聴衆が不快に感じた、という程度では、刑事罰を伴う法改正をするだけの立法事実があるとは言えないと考えます。

もちろん、演説を妨害する行為自体は厳格に取り締まるべきです。
しばき隊のような妨害活動についても、公選法・刑法・軽犯罪法・条例など、既存の法体系で十分対応できるはずです。

AbemaNewsでの議論も少し見ましたが、参政党は梅村みずほさんではなく安達悠司弁護士を出演させるべきでした。
あのパネリストの中では、やはり法律家である山尾志桜里さんの発言が最も理にかなっていたし共感できました。
梅村みずほさんの発言の中には、率直に言って「怖い」と感じる部分がありました(法律家であれば絶対に言わないことを彼女は言いました)。

また、「外国の国旗は守られているのに、日本の国旗は守られていないのはおかしい」という論調もあるようですが、刑法92条の保護法益は、国家間の尊重関係や外交的礼儀といったものであり、しかも同条は親告罪です。
さらに、「国章」の範囲も相当限定的に解釈されており、その罪の重さも器物損壊罪より軽いものです。
要するに、この条文は「外国のシンボルを日本国として尊重します」という立法態度を示すものであり、「外国の国旗を特別に守る」ためのものではありません。

国章毀損罪の問題は、「いただきます」強制問題にも通じる部分があると思います。
私は、「小学校で『いただきます』を強制する」という発想自体が理解できません。
「ご飯を食べる前は『いただきます』と言いなさい」「言うまで食べさせない」というような教育が実際に行われているのでしょうか。
もしそうなら、それはやめるべきだと思います。
小学生にも、すでに自分の頭で考える力があります。
食前に「いただきます」と言いたくない子どもに、無理やり言わせる必要はないでしょう。
というか、言いたくない子にそれを言わせて何の意味があるのか、疑問です。

もちろん、「食事をいただくことはありがたい」「命に感謝すべき」という考え方には共感するし、私自身、それが当たり前の考え方だと思っています。
自分の子どもにも、そう感じながら食べてほしいと願っています。
しかし、そう思っていない他人にその価値観を押しつけるべきではありません。
嫌々「いただきます」と言わせても、そこに意味はありません。
正直なところ、大人だって毎食きちんと手を合わせて心から「いただきます」と言えている人ばかりではないでしょう。
私自身、恥ずかしながらそうでない時は多々あります。
子どもに食べ物に対する感謝の気持ちを持ってほしいのであれば、まずは大人が手本を見せて、なぜ「いただきます」と言うのか、子どもが小学校に上がる前に親が教えておくべきだと思います。

「愛国心は当たり前」「食べられることに感謝するのは当たり前」「国旗に敬意を表するのは当たり前」――
それは「我々」の価値観です。

しかし、同じ価値観を共有しない人に対して、「ネットリンチOK」「給食も食べさせない」「法律を作って刑罰を科す」って。いや、怖い怖い。
そんなの日本的じゃないですよ。

細川バレンタインさんが自身のYouTubeの中で、「カンニング竹山さんの意見が嫌いだ」と言っていましたが、私は竹山さんの感覚こそ大切だと思います。
「自分はこう思う。だけど、こう考える人もいるんじゃないかな?」
――この姿勢は、日和っているわけでも、知識人気取りのポージングでもないと思います。
むしろ、成熟した社会に向けて個人が持つべき必須な感性だと思います。

細川バレンタイン、好きだけど笑
あのフレンチブルドッグのTシャツ、欲しい!

関連記事

  1. 権利のための闘争
  2. 予備自衛官になりたいっ!
  3. 話を聞かない人たち
  4. 人間の特性(2026年の抱負)
  5. 無罪論告
  6. 遺言のすすめ
  7. 『無効票の行方』~麻生太郎と菅義偉~
  8. 国家のアイデンティティと選択的夫婦別姓

お問い合わせ

明石法律事務所

活動のご報告

PAGE TOP