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日本人ファースト

いよいよ梅雨も明け、選挙が近づいてきましたね。
期日前投票は、7月4日から始まります。
みなさん、投票にはぜひ行きましょう!

私は、「日本人ファースト」と公言して憚らない政党を支持していますが、みなさんはこの「日本人ファースト」という言葉に対して、どのような印象をお持ちでしょうか?

「排外主義だ!」、「差別主義だ!」、「日本人ファーストというなら、“ファースト”も日本語で言え!」など、さまざまな声が聞かれます。

でも、まず言っておきたいのは、これは排外主義ではありません。
「日本人ファースト」と言うからには、当然セカンドの存在を前提としており、日本人以外の人たちとの共生が前提です。

また、差別主義という批判も当たりません。
差別とは、一定の属性に基づいて不当または不公平な扱いをすることですが、何が「不当」かが問題です。
最高裁判例においても、基本的人権のうち参政権や社会権その他のいわゆる積極的自由権については、外国人であることを理由に一定の制約を受けることがあるとされています。
もちろん、「何が何でも日本人優先」という極端な思想ではありません。
ただ、一定の権利に関しては、国籍によって保障の程度に差があるということは、法的にも制度的にも明らかです。

「ファーストも日本語で言え」という一見気の利いた訳の分からないことをいう人には、「おしゃれさん。」と頭を撫でてあげれば十分です。

「日本人ファースト」に嫌悪感を持つ人の感覚の根底には、おそらく「人を属性で括ること」への嫌悪感があるのだと思います。
これは、夫婦別姓、LGBTQ…といった話題とも通底しているように感じます。

「日本人は日本人らしく」「男は男らしく」「長男の嫁は長男の嫁らしく」――こうした「○○らしさ」への違和感。
その延長線上に、「属性から解放されたい」という願望があるように思います。

「人間は唯一無二の存在だ!」「世界に一つだけの花だ!」
「憲法で最も重要な価値は、個人の尊厳をうたった第13条だ!」

――全くそのとおり。何ら異論はありません。

でも、その「個人の尊厳」を制度として担保する土台こそが、国民国家なのです。

人間は尊い。平等に扱われるべきだ。
この理念は、疑いようのない普遍的価値です。
けれど、その「平等」や「尊厳」を、誰が、どこで、どうやって守るのか?

医療、教育、福祉、選挙、治安――
それらを具体的に提供し、制度として成立させているのは、国家という枠組みです。
そして、その国家は主権を持ち、法秩序を維持し、構成員を定義します。

つまり、「国民とは誰か?」という線引きは、制度的平等を成立させるための必要条件なのです。

「日本人ファースト」とは、あくまで制度の優先順位を確認しているだけであって、誰かを見下したり排除したりしているわけではありません。
むしろ、「個人の尊厳を守る」という憲法13条の理念を、現実的・制度的に運用していくために、「国民」という枠組みは不可欠なのです。

ついでに言っておくと、「国家主権」と「国民主権」は矛盾しません。
 • 国家主権:国家が内外に対して最高の権限を持つという機能・現実の話
 • 国民主権:その国家の正統性が誰の意思に基づいているかという原理・価値の話

主権が「国民にある」ことは当然の前提ですが、だからこそ「国民」とは?という定義がなければ、「国民主権」は理念倒れになってしまいます。
外国人に狭義の「参政権」を与えるというのは、国民主権の放棄、あるいは原理的な自己矛盾にほかなりません。

「私は私!」
「どんな属性にも縛られたくない!」
わかります。
でも、あなたにはお父さんとお母さんがいて、おじいちゃんとおばあちゃんがいて、生まれながらの性があり、地元の学校で先生に教えを受け、警察が地域の治安を守ってくれて、職場や取引先があなたの生活を支えてくれている。
そして、世界で最も価値のあるパスポートを手にして、海外を自由に旅行することができる。

生まれながらにして、私たちはすでに社会の中でカテゴライズされ、守られて、生かされているのです。

「○○らしく」振る舞う必要はないかもしれません。
でも、自分が今ここにあるのは、親や祖先、教師、地域社会、そして日本という国の制度や文化の恩恵があってこそだということを、もう一度見つめ直してもいいのではないでしょうか?

「日本人ファースト」に嫌悪感を持つ方へ。
まず、自分が「日本人」であることを、素直に受け入れてみてはどうでしょう。
それが大人への第一歩!
頑張って‼

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