昨日10月20日、筋肉弁護士こと桜井ヤスノリ弁護士が、Xにて、「色々あって自分らしい発信ができない状態となりました。収録済みの番組は追って公開されますが、しばらくはYouTubeとXはお休みしようと思います。今はこれ以上の言葉が出てきません。お察しください。」と、発信しました。
桜井弁護士は、先日『No Border』という番組に出演し、日本政府の外国人受入政策に対して賛成する側の立場から意見を述べており、同番組への出演がきっかけとなり、ここ数日間、凄まじいネットリンチを受けていました。
彼は、自身が以前に帰化したということをXやYouTubeで述べており、元々の国籍がどこなのか私は知りませんが、そのことも含めて酷い個人攻撃がなされました。
私自身は、桜井ヤスノリ弁護士とは政治的思想や支持している政党なんかは異なりますが、彼の発信する内容は勉強になることが多く、リベラルアーツとリーガルマインドの啓蒙という理念に共感できるので、彼のYouTubeはよく見ていました。頭が良くてシュッとしてて体もカッコよくて洗練されていて、それでいて尖っているので、反感買うだろうなと思ってはいましたが…。
それにしても無茶苦茶なネットリンチです。冒頭の発信に対しても、「日本人ぽくない顔だなぁと思っていたら、やはり朝鮮人だったんだね。」、「何を被害者ぶってんのか知らんが、この国には『身から出た錆』って言葉があんだよw」、「うわあ被害者ムーブだあ ぽいぽい 向こうにルーツある人の得意技やんこれ」といった、彼の出自を絡めた暴言の数々。誰一人顔も名前もさらしておらず、これらのツイートには信じられないことに、千から数千のいいねが付いています。
これって、まさに排外主義そのものじゃないですか?
明らかに、自分と考えが違う人、国籍が違う人を排除しようとしてますよ。しかも匿名で、寄ってたかって。彼の帰化情報が掲載されている官報を家族の情報まで含めて公開している輩までいるようです。狂ってる。
最近は、サッカー日本代表がブラジル代表に勝つし、大谷翔平選手は相変わらず漫画みたいだし、後見人報酬が予想していた金額の倍くらいあったし、昨日はソフトバンクも日本シリーズに進出したし、けっこう浮かれてたのですが、桜井弁護士の冒頭のツイートとそのツイートに対する反応を見て一気に萎えました。それらすべてを吹き飛ばすほど、匿名でのネットリンチは不気味だし気持ち悪かった。落ち込みました。
ネットリンチをする人たちは人間に対する想像力が決定的に欠けていると思います。桜井氏の言うところの『1ビット脳』が『ピグミンムーブ』をしてる。人が弱ってるところをみんなで面白がって叩いて憂さ晴らし。
でも、彼らには多分そういう感覚はなくて、「考えが違うから叩いているんじゃない、桜井ヤスノリだから叩いてるんだ」とか、「帰化人だから叩いてるんじゃない、日本人ヘイトをするから叩いてるんだ」と思っているのかもしれません(もしかしたら、「叩いている」という感覚すらないかもしれません。正義だとすら思っているかもしれません。)。でも、桜井ヤスノリがどんなに鼻持ちならないやつでも、例え日本人ヘイトをまき散らす人間であっても、匿名でネットリンチをするようなことはあってはならないんです。一人一人の悪意が巨大な悪意の塊となって襲ってきたとき、人間はなすすべもなく押しつぶされます。
桜井氏がなぜ発信できない状態になったのか具体的な理由は分かりませんが、あれだけの個人攻撃を受けてまともな精神を保つことが出来る人間はいないと思います。それに加えて、家族や顧問先に迷惑がかかったり、仕事や経済的な面でも影響が出るようなことがあれば、相当キツいはずです。
桜井氏の主張に対して、僕たちは、日本人や日本社会の寛容さを示した上で、そのような日本の伝統文化や社会を守って子孫に引き継ぎたい。そのために、急激な移民や外国人労働者の受入れは慎重に考えよう!と反論すべきだったのではないでしょうか。
日本人や日本社会が不寛容で、現実社会ではお利口にしている反面、ネチネチした暗い気持ちの悪いネットリンチを許容するような社会であれば、もはや守るべき日本なんかすでに無くなってるんじゃないかと、本当に悲しくなりました。
面と向かってその人に対して言えないような悪意の言葉をみんなで一人に対してぶつけるのは止めましょう。
頑張れ!筋肉弁護士‼


