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二百年後の夢

今日はコメンテーターとして出演させていただいているラジオのゲストのお話を。
昨日(4月20日)、コミテンの『プレジデントステーション』に、ゲストとして和胡奏者の里地帰(さとちき)さんをお迎えしました。

里地帰さんは、福岡を拠点に活動されている和胡奏者・シンガーソングライターであり、和胡という楽器そのものを創り出された、まさにその第一人者です。
ご出演が決まってから、彼の演奏をYouTubeで何曲も、何度も聴き込みました。

そして、放送当日。
目の前で和胡の音色に触れることができました。
和胡が奏でる『ふるさと』のワンフレーズ、心に沁みました。
そして、『雷馬』という曲の中の馬の嘶き!
鳥の囀り!虫の声!
和胡という楽器の幅広い表現力は、圧巻でした。

2017年に発表されたアルバム『手紙』に収録されている楽曲には、戦時中に交わされた若い夫婦の手紙でのやり取りが綴られています。
里地帰さんのお祖父様が、戦争から傷痍軍人として帰国された方で、その体験談などをもとに「戦時下にも確かに存在した日常」に思いを馳せながら歌詞に投影して作っていった作品だと話してくださいました。
例えば、アルバム中の『再会』という歌の中には、
「明日の朝は味噌汁が飲みたいと、正座をしながら、懐かしい話をして、笑顔のあなたが今何かごまかして私を抱き締めた。」
といった切なく美しい歌詞があり、胸を打たれます。

そんな里地帰さんに、今後の目標を伺ったところ、こんな答えが返ってきました。
「百年後、二百年後には、和胡が尺八やお箏のように“日本の和楽器”として根づき、独自の進化を遂げていてほしい。
そのために今自分ができることを考えたとき、“世界で一番有名なコンサートホールで、和胡の音を響かせる”ことを実現したいんです。」
その目標とは——2027年末までに、ニューヨークのカーネギーホールで和胡の単独コンサートを成功させること。

聞いていてワクワクしました。
カーネギーホールで最初に響く和胡の奏を、満員の聴衆の感嘆の声と鳴りやまないスタンディングオベーションを、この耳で直接聴こう、
二百年後の夢へと続く礎を築いた一人の日本人の勇姿を、この目で見届けよう、
と、私は密かに決意しました。

和胡という楽器の可能性を信じ、その魅力を多くの人に届けようとしている里地帰さんの挑戦に、心からの敬意を込めて。

※ラジオをお聞き逃しの方は、YouTubeアーカイブにて、ぜひご視聴下さい。https://www.youtube.com/live/Lwt9LDLD4pM?si=HtwAsBBIySLtHhw9

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