10月4日に自民党の総裁選が行われ、高市早苗氏が新総裁に選ばれました。
事前の多くの予想では小泉進次郎氏が優勢と伝えられていましたが、蓋を開けてみれば、高市氏が勝利。
その勝因の一つとして取り沙汰されているのが、麻生太郎氏の動きです。
麻生氏は、決選投票を見越して、1回目の投票では麻生派の議員に対し、小林鷹之氏と茂木敏充氏に分散して投票するよう指示。2回目の決選投票では、「党員票が多い候補を支持せよ!」というシビれる指示を出し、見事にキングメーカーとしての存在感を見せつけました。
前回の総裁選のときとは打って変わり、今回の結果を受けた麻生氏の顔には、満面の笑みが浮かんでいたのが印象的でした。
麻生氏といえば、故・安倍晋三氏と盟友関係にあった人物です。その安倍氏が後継者と見込んでいた高市氏を支援したというのは、筋が通っているようにも思えます。
一方、どうしても腑に落ちなかったのは、菅義偉氏がなぜ小泉進次郎氏を推していたのか、という点です。
菅氏は前回の総裁選の決選投票でも、石破茂氏に投票したとされています。
しかし、菅氏といえばかつて「趣味:安倍晋三」と公言し、安倍氏が亡くなった際には弔辞も読まれた方です。
であれば、安倍氏が後継者と見込んでいた高市氏を推すのが自然だったのではないでしょうか。
少なくとも、安倍氏が「絶対に総理大臣にしてはいけない」とまで言ったとされる石破氏を推したことは、私にはずっと全く理解できませんでした。
近年の菅氏の姿を拝見していると、虚ろな目、辿々しい歩き方が目につき、失礼ながら、健康状態や判断力の低下を疑ってしまいます。いや、疑ってしまっていました。
ところで今回の総裁選の決選投票。議員票数は全部で295票でしたが、結果発表の際に公表された有効投票数は294票でした。
1票はどこへ行ったのか?
「誰かが自分の名前を書いたのでは?」
「石破茂か?彼なら書きかねない」
など、さまざまな憶測が飛び交いました。
その中に、「無効票には『安倍晋三』と書かれていた」という噂があります。
以下は、私の完全な妄想です。
決選投票で「安倍晋三」と書かれた1票を投じたのは、菅義偉氏だった。
菅氏は、安倍晋三氏の「三度目の登板」をどこかで期待していたのかもしれません。
第2次政権下で、安倍氏は選挙で連戦連勝し、国民の圧倒的な支持を得ながらも、やりたい政策を思うように実現できませんでした。
その後を引き継いだ菅政権も短命に終わりながら、一定の成果は残した。しかし、安倍晋三は暗殺されてしまった。
菅氏はこう思ったのではないでしょうか。
もうこの国の政治は限界だ。
自民党は長く政権を握りすぎた。利権構造に絡め取られている。
誰がトップになろうとも、思うような改革はできない。
ならば、自民党を解党するしかない——
巨大な、がんじがらめの利権構造もろともこの党を消滅させる。
本当の意味で「戦後レジームからの脱却」を実現するには、それしかない!
そう決意した菅氏は、真っ当な判断力が失われたように見せかけて、石破茂・小泉進次郎という「自民党を壊す二人」に託そうとしたのではないでしょうか。
あえて“破壊者”を表舞台に立たせることで、自民党そのものを終わらせようと考えていたのではないか。
しかしその菅氏の深謀も、麻生太郎氏の策略によって砕かれました。
結果、日本は一時のカタルシスを得る代わりに、「戦後レジームからの脱却」という大目標を遠ざけてしまったのかもしれません。
国民は、またも微かな希望を打ち砕かれ、政治への無力感を募らせていくことでしょう。そして、日々の生活に追われ、いろんなことを忘れていくでしょう。
おそらく、菅氏は決選投票の直前、小泉氏の敗北を察知したのではないでしょうか。
そして、投票用紙に「安倍晋三」と書いた。
「私は、『あなた』を裏切ったことは一度もありません。
『あなた』の、我々の理想を、私なりのやり方で実現しようと試みました。
しかし、敵は強大でした。
『あなた』が三度目に戻ってくるなら、私はまた官房長官を務めたかった。」
そんな思いが、あの一票に込められていたのではないでしょうか。
以上、妄想終り
私は、小泉進次郎氏が総裁に選ばれ、すぐに総選挙が行われ、自民党が比較第一党の座から落ちることを望んでいました。
しかし、そうはなりませんでした。
やはり麻生太郎氏は吉田茂の孫。おいしいところを持っていきます笑
しかし、麻生氏の今回の采配は、日本を本当に良い方向へ導くものだったのでしょうか?
自民党が首の皮一枚つながったことは、日本にとって良いことだったのか?
高市政権は、国民民主党と手を組んで、ガソリンの暫定税率廃止や所得税の基礎控除額の引き上げなどを進めていくでしょう。
しかし、本格的な積極財政や減税政策で国民ひいては日本を本当に強く豊かにする政策を実現することはできない。
やろうとすれば、官僚機構やメディアといった敗戦利得者の総攻撃に遭い、潰されます。
不満や怒りという「ガス」は、少しだけ抜かれて暴発を免れるでしょう。
そして、財務省や敗戦利得者の支配構造は、まだ当面の間は続くと思います。
私たちは「絶望」に備えるべきです。
政治的アパシーに陥ることは相手の思うつぼです。
政治家の言動を監視し、選挙という手段で結果責任を問い続けなければなりません。
結局、世の中を変えられるのは我々草莽です。


